浮気相手に慰謝料を請求したい
夫の浮気(不貞、不倫)相手の女性に慰謝料を請求したいというご相談をよく受けます。
そこで、浮気相手に対する慰謝料請求の手順・ポイントをご説明しましょう。
1.浮気の証拠の確保
まず、夫が浮気をした証拠を確保することが最も重要です。
最近帰宅するのが遅くなった、夫がキスマークを付けて帰ってきた、ホテルの領収証などが出てきた、浮気相手とやり取りしているメールを見た、などの事情から夫の浮気が発覚することが多いようですが、慰謝料請求をするためには確たる証拠を確保する必要があります。
具体的には、(1)興信所の調査報告書、(2)夫が女性と泊りがけの旅行に出かけた写真、(3)明らかに浮気をしている内容のメールなどの証拠をよく見ますが、それ以外にもいろいろあるでしょう。
2.浮気相手の女性の住所・氏名の調査
夫が浮気をしている証拠を確保しても、女性の氏名・住所が分からなければ慰謝料請求をすることができません。女性のメールアドレスや携帯電話番号が判明していれば、弁護士照会の手続により、携帯電話会社に当該アドレスや電話番号の契約者の住所・氏名の照会を行うことが可能です(ただし、現在のところ、ソフトバンクは照会に応じていないようです)。興信所に依頼した場合には、女性の住所・氏名も判明することもあります。
3.女性に対する慰謝料請求の内容証明郵便送付
女性に対して慰謝料を請求する書面を内容証明郵便で送付します。女性から連絡があれば交渉し、条件を詰めて慰謝料を支払ってもらいます。
4.訴訟提起
1週間~10日程度待っても女性から連絡がなければ訴訟を提起することになります。提起する裁判所は貴女の住所地を管轄する裁判所です。例えば、貴女が大阪、女性が東京に住んでいる場合、大阪地方裁判所に慰謝料請求訴訟を提起することができます。女性が裁判期日に出頭すれば、認否や反論を待つことになります。通常、裁判所から和解の勧告があり、和解により解決することが多いと思われます。和解ができない場合、あるいは、女性が裁判所に出頭しない場合には、証拠調べ手続を経て、判決が下されることになります。
5.強制執行
判決が出ても女性が慰謝料を支払わない場合、判決に基づき強制執行をすることになります。勤務先が判明しているときは給料を、預金のある銀行・支店が判明しているときは銀行預金を、不動産を所有しているときは不動産を差し押さえることになります。財産が判明していない場合には強制執行することができませんので、請求する段階で、ある程度、強制執行が可能か否かの目途をつけておくことが重要です。