養育費・婚姻費用の算定については、東京・大阪養育費等研究会による「簡易迅速な養育費等の算定を目指して-養育費・婚姻費用の算定方式と算定表の提案-」(「標準的算定方式・算定表」と呼ばれています)が公表されており、裁判実務において広く利用されていることは周知のところです。
しかし、標準的算定方式では考慮されていないため修正されるべき要素も多く、このような修正要素について裁判官が論述した論考が幾つも公表されています。
修正要素は多岐にわたっているところ、どのような要素が修正要素と考えられているか整理してみましたので参考にしてください。
尚、養育費・婚姻費用を請求する者を「権利者」、支払義務を負っている者を「義務者」と言います。
- 子が4人以上の場合
- 権利者と義務者が当事者間の複数の子を分けて養育している場合
- 義務者が再婚した場合
- 義務者が年金受給者の場合
- 義務者が高額所得者の場合
- 子の私立学校や大学の学費
- 義務者が負債を抱えている場合
- 自宅の住宅ローンの処理
- 婚姻関係が破綻している場合
- 権利者の不貞等により婚姻関係が破綻している場合
- 子が成年に達している場合
- 権利者が夫婦共有財産を持ち出している場合
- 一方当事者が外国に居住している場合
- 家庭内別居の場合
- 自営業者の総収入
- 事業所得のほか給与所得がある場合
- 義務者の低収入に合理的な理由がない場合
(弁護士 井上元)